2016年から中国で盛り上がりを見せているライブコマースですが、日本でも2017年からサービスのローンチが相次いでいます。eコマースにライブ動画を組み合わせて商品をプロモーション・販売する通販の仕組みであるライブコマースはECのあり方を変えるポテンシャルを持っています。
今回は、そんなライブコマースの概要を解説いたします。
ライブコマースとは(定義)
ライブコマースはECとライブ動画を組合わせた新しい販売手法です。活用次第で商品の認知度・好意度・購入意向を高めることができます。
ライブコマースはTV通販のオンライン版ととらえることもできますが、TVには無い双方向性が魅力です。サービスはアプリやWebサイトにて提供され、消費者はリアルタイムに販売者に質問したりコメントしたりしながらショッピングを楽しむことができます。
また、語源となっているLive Commerceですが、英語文でもこのLive Commerceという表現は利用されています。Live Streaming eCommerce や Live Video Commerceなどの表現を使うことも多いです。
日本では、ライブコマースは黎明期で、成功事例もあまり多くありません。”売る”ためのコミュニケーションも確立しておらず、PR目的でライブコマースを実施する企業が大半です。
一方、中国では、ライブコマースは日本のテレビ通販の様なポジションを確立しており、豪華なセットの使用や有名人を起用するため制作への投資額も大きいです。1配信で数億円売れることもあり、売上規模は日本より遥かに大きいですが、やはりPR目的での利用も多いのが現状です。

ライブコマースのメリット(利点)・デメリット(問題点)
メリット(利点)
ライブコマースを活用すれば高い収益性やPR効果を期待できることはもちろん、画像や文字では伝えきれない商品に関する多くの情報をお客様に伝えることができます。また、リアルタイムなコミュニケーションを通じてお客様の疑問を解決したり、提案型の販売をすることも可能です。
デメリット(問題点)
ライブコマースは他の販売促進施策と比べると、配信準備や告知等、工数がヘビーな施策になります。また、やればすぐに売れるというものでもないため、ライブコマースで扱う商品に適したコミュニケーション方法を模索する必要があり、そこに時間がかかることもデメリット(問題点)の一つです。「ライブ」であるため、ライブ時間中に閲覧されるための工夫の必要性があり時間的制約も発生します。
ライブコマースの現状
日本におけるライブコマースの現状
2017年はLiveShop!やPinQul(サービス終了)を始めとしたライブコマース・アプリのローンチが相次ぎ、ライブコマース元年とも言える時期でした。日経トレンディ「2018年ヒット予測100」にてライブコマースが2位にランクインし、ライブコマースの盛り上がりが期待されています。2018年8月にはPinQulの撤退などもあり、当初に比べると盛り上がりは落ち着きを見せています。
ライブコマースの利用実態
当社の実施したアンケート調査によると、ライブコマースの利用経験は若年層において高い傾向がありますが、認知や利用意向では年齢の高い消費者も若年層と同等もしくはそれ以上です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→「ライブコマース利用意向は35歳以上の女性で3割!2018年利用実態調査」
海外におけるライブコマースの現状
ライブコマースは、欧米圏では東アジア・東南アジアほど盛り上がりを見せていません。ライブコマースは中華圏で人気があり、市場規模・ユーザー数共に大きいです。日本以外の海外のライブコマース事情については、こちらの記事をご覧ください。
→どこよりも詳しく解説!海外に学ぶ国別ライブコマースガイド
ライブコマースのサービス紹介
YouTuber(ユーチューバー)事務所のUUUM株式会社の参入や、山田孝之がライブコマースの会社を立ち上げるなど大小様々なサービスがリリースされています。今回は現在サービスを提供している日本国内のライブコマース・サービスを一覧で紹介します。

ライブコマースの種類
ライブコマース・サービスは大きく分けてアプリ型とSaaS型の2種類です。目的に応じてサービスを使い分けると良いでしょう。
アプリ型のライブコマース・サービス
アプリ型のライブコマースには2つのタイプがあります。プラットフォーム・タイプとセレクトショップ・タイプです。
プラットフォーム・タイプは法人が出店できる機能を提供しています。この場合、配信は出店者が行う場合が多く、プラットフォーム側へ販売手数料を支払う必要があります。
セレクトショップ・タイプは文字通りオンラインセレクトショップのような業態で、委託販売を行うモデルです。サービスプロバイダーが在庫を抱える場合もあり、多くの場合、配信はサービスプロバイダー側が行います。
SaaS型のライブコマース・サービス
法人向けにライブコマース機能を提供するのが、SaaS型のサービスです。自社ECにてライブコマースを実施できます。自社ECを顧客接点として重視する企業にはおすすめです。
ライブコマース・サービス一覧
日本で展開しているライブコマース・サービスを以下にまとめてみました。ライブコマースを利用開始する際の判断軸として比較できるように、各サービスのユーザー属性や取扱商品などを掲載しています。
個別のサービス紹介はこちらの記事をご覧ください
→【マーケター必見!】人気ライブコマース・サービス10選を徹底比較
ライブコマースの導入を検討されている方はこちらの記事をご覧ください
→パターン別!売上を伸ばすライブコマース導入完全ガイド
ライブコマースの導入事例の紹介記事はこちらです。
→導入前に知りたいEC担当者のためのライブコマース事例4選
サービス名 |
サービス形態 |
ユーザー属性 |
販売商品 |
配信者 |
LiveShop! |
アプリ型 |
20~30代
若年層に強い |
アパレル |
インフルエンサー |
メルカリ |
アプリ型 (プラットフォーム) |
20~40代 女性が多い 30~40代に強み |
アパレル 食品 |
タレント・一般人 |
SHOPROOM |
アプリ型 (プラットフォーム) |
10~30代 男性が多い 若年層に強み |
芸能人グッズ |
芸能人・タレント・販売員 |
Abema |
アプリ型 (セレクトショップ) |
20~30代 男性が多い |
コスメ 食品 |
タレント・芸能人 |
CHECK |
アプリ型 (セレクトショップ) |
20~50代 女性が多い 高めの年齢層 |
日用品 便利グッズ 家電など |
モデル・ミュージシャン |
monel |
SaaS型 |
All |
All |
YouTuber・芸人・モデル
声優など |
TAGsAPI |
SaaS型 |
All |
All |
ブランドのイメージモデル ブランドの販売員 インフルエンサーなど |
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